先日、教室の生徒さんに教えてもらい
この映画のことを知りました。
予告動画を観ただけで、同じオーダーメイドの洋服の仕立て屋として痛いほど共感できる部分と楽しそうというのと
移動式屋台で仕立て屋を営む主人公に
移動式ではないのだけど、沖縄の国際通りから平和通りの奥のパラソル通りの露店でミシンを広げているお母さんを思い出しました。
沖縄に行くたびに、必ずそのお母さんの姿を確認しに行きます。
声をかけたことはないけど、姿を拝見するだけでとっても元気をもらえます。
場所がないと、この仕事は成立しないものと、当たり前のように思っていましたが、初めてこのお母さんに出会ったとき私の概念が見事に覆され震えるほどに感動しました。
それを沖縄での仕事仲間にたぶん興奮気味に伝えた記憶があります。
でも、仲間たちはその状況が当たり前すぎて、私が何をそんなに驚いているのか不思議がっていました。
『沖縄すごい!』
そう、私の沖縄好きの理由はここにもあるのです。
極寒にならない南の島♪
泡盛の島♪
それだけではない、実は服飾が日常に溶け込んでいる島♪
アーケードの通りをあるいているだけで服飾と関係ない店先でミシンを見かけるのです。
この予告動画を観た時、そういうことがわーっとリンクしました。
本編を観て。。。
ドキュメンタリーではなく、物語です。
でも、物語そのものよりも、ブランドではない個人のオーダーメイドの仕立て屋の日々に、仕立て屋としての自分の現実も重なりなかなかリアルに重々しく考えてしまいました。
紳士服仕立て屋のお父さんと後を継ぐ息子
昔ながらの格式あるオーダーメイドを守りたいお父さん。
しかし、時代は変わり手軽な安価な洋服が中心の現代、需要は減っていきます。(この設定だけでも、私の胸はちくちく…)
そこをなんとか打破しようと、お父さんから仕立ての仕事を教え込まれ36年テーラー一筋だった息子が女性のドレスやさんになる。
テーラーと女性のドレスって、同じ洋服を作るといっても
全くの別物なのです!!
映画の主人公は36年テーラー一筋
私、専門学校から服飾に携わり37年
経歴の設定が一緒!
私が今から、テーラーの仕事を覚えて生業とするということになる。
描かれてはいないけど大変なことだよ~~。。。と、勝手な感情移入
そうやって半端ない努力をしているのに、お父さんが息子に放った言葉
『お前はお針子になるのか!』
私、勝手に グサッ!!
その昔、日本でも『お針子』というのは職業地位的に低く、蔑まれた用語だった時代があったのです。
それに対して、息子
『お針子だって、立派な仕立て屋だ!』
私、目頭がぐぅっと熱くなりました。
物語は進んでいって
え?昼メロに突入しちゃうの?そんな話にしちゃうの?
って感じになりましたが、そこはさらっと過ぎていってくれてよかったです。
そんな感じで、物語そのものを楽しむというより
私が常々、悶々鬱々もやもやしていることを描いてて
わかってくれる人がいてくれたような嬉しい気持ちになる映画でした。
ミシンの踏む音
ハサミの音
針に糸を通すシーン
ピンで飾り布を止めるシーン
美しく描写されていて
勝手にありがとう
って、気持ちになりました。
富山では
JMAXシアター富山にて11月5日から上映されています。
たぶん、そんなに長く上映とはならないと思うので、興味のある方はすぐ!!
因みにですが、沖縄ではプラザハウスシネマにて残念ながら11月11日(木)までです。